2024.09.17
消防設備士を全類取得して15年近くなる。うちの社員も資格取得に奮闘しているが、年々難しくなっているような気がするのは気のせいか。でもその資格の重要性もこの15年でさらに増してきたように思う。
それと同時に無資格問題も色んなところで勃発しているようだ。
消防設備の工事に携わる際には、電気系の設備であれば電気工事士の必要性に遭遇するのだが、知ってか知らずか無資格で施工する者がいるようだ。消防設備士はあくまで❝電源を除く❞部分の施工が出来るものであって、電源工事は電気工事士ということなる。
そしてちゃんと資格を取得しようとする者がまず受験するのが第二種電気工事士!でもこれさえ取れば電源工事は何でも出来ると思っていたのは私だけではないだろう。これがまさか、第二種電気工事士だけでは一般家庭の電気工事くらいしか出来ないのである。これも知ってか知らずか無資格施工に繋がってしまうらしい。
有資格者として施工するためには、第二種電気工事士を受講資格として認定電気工事従事者を取得しなければならないようである。私は第二種電気工事士取得から5年後に第一種電気工事士を取得してたまたま困らずに今に至ったが、第二種電気工事士が使えなくて困ったなんて話をよく聞く。他にも電気工事の不備が発覚して、結局無資格者(第二種電気工事士)の施工だったという話もあるようだ。
私が消防設備士を全類取得した後で門を叩いたとある大手防災メーカーでは、入社前から私のことを❝全類取得の凄い奴❞が来ると噂されたらしく、免許だけで経験値の乏しい所謂❝ペーパー❞だった私は「マジか。こんなことも知らないんだ」と言われ悔しい思いをした経験がある。結局、資格自体が輝きを放つことは無かった。このままじゃダメだと、自分なりの武器を磨くために安泰の生活を捨てて現場に戻ることを決めた。いつも気にかけて頂いた副社長に呼び出されて「うちの会社辞めるって、一生(感知器を)炙るんか!?」と聞かれた際に、「はい。一生炙りたいです」と答え、全設備をもっと極めて恩返しをしようと決意して会社を辞めたっけな。
この防災メーカー時代に点検業者を査定する部署にいたこともあり、点検要領を読みあさった経験は一生の財産になったと今も感謝している。あの時の決意に恥じない自分になろうと努力してきたつもりだが、果たしてどうだろうか。知れば知る程深く、終わりのない仕事であることを身をもって感じる日々だ。
資格は自分を彩ってはくれるが、その知識をどう使うか。その経験を誰のために生かすのか。人間としての成長こそが資格という鎧を輝かせるに違いない。
❝本物の消防設備士❞を目指して今日も精進していきたい。