施⼯事例

2024.12.30

  • 点検・メンテナンス
  • 消防設備点検

呼水槽のオーバーフロー管

エリア名 東京都港区
建物種別 某マンション
設備名 屋内消火栓設備
屋内消火栓設備の呼水槽には50A以上のオーバーフロー管が設けられており、ポンプ運転時の多少の逆流では溢れることはありません。呼水槽の水を増やす要素としては、ボールタップの給水、逃がし配管の排水、呼水管逆止弁機能不良の3点と、施工不良のケースではオーバーフロー管への性能試験配管等の誤接続が考えられます。施工不良のケースを除けば、一般的にはこれらによる増水があったとしても、50Aのオーバーフロー管の排水が勝るので問題はない設計となっているのです。
・・・が、今回の現場ではオーバーフロー管の排水よりも、逃がし配管の排水と呼水管逆止弁不良による増水の方が勝ってしまい、呼水槽が溢れ出してしまいました。まさか!オーバーフロー管の排水口がシャワー穴状に絞られていたのです。今までの消防点検では指摘がなかったそうですが、呼水槽が溢れればモーター部分にも水がかかり危険な状態となります。だからこそオーバーフロー管は50A以上と規定されているわけです。水が普段流れない排水側の点検は疎かになりがちですが、時にこんな危険な状態も招くのだと肝に銘じたいと思います。