2026.03.23
共同住宅用自動火災報知設備。
管理人室等に住棟受信機と呼ばれる親玉があって、各住戸に共同住宅用受信機と呼ばれる子分(インターホン)が接続される構成となっている。
動作フローとしては、住戸内の感知器が作動するとまずは女性のアナウンスで感知器発報メッセージ。その後一定時間経過か火災確定ボタンを押すことで男性のアナウンスに切り替わり、出火階・直上階の各住戸のインターホンが連動して鳴動する。その際に、女性アナウンスの段階では発報住戸の子分だけが鳴動しており、外のインターホン子機も鳴動していないのだが、男性のアナウンスに切り替わった瞬間、その信号が親玉に伝わって親玉主音響が鳴動。さらに親玉から近隣の子分たちに一斉に指令が行くので現地各住戸で鳴動が始まる。その段階になると火災発報の部屋のインターホン子機だけが鳴動するため、どこで火災が起きているか分かるという仕組みになっているのだ。
これが一般の火災報知機システムにも使用される受信機を親玉としているのだが、インターホンとどう繋がっているのかを理解しないと、共同住宅用自火報はちょっと難しいシステムに思えてしまうだろう。一般的な例でちょっと深堀して解説したいと思う。

住戸内インターホン親機(住宅情報盤)の端子として一般的なところ(アイホンの例)では、SL・SC・ST・STC・B・BC・JL・JC・D+・D-がある。その他、ガス漏れのG+・G-、インターホン幹線のR1・R2、玄関子機のD1・E1・AL、さらには救急ボタンや窓センサーや漏水検知などのオプション端子などもある。
SL-SCは感知器用のDC12V回路。これに住戸内感知器が接続され、終端器として3KΩ(パナソニック)や4.7KΩ(アイホン)などがある。
ST-STCは外部試験用。SL-SCはあるのにST-STCがない場合は遠隔試験のない住戸用自火報とか、感知器発報で移報を取ってインターホンを鳴動させている場合だ。
B-BCはお馴染みのベル回路。親玉である住棟受信機のベル回路のこと。要は火災確定で親玉がベル鳴動のDC24Vを出した際に、子分(インターホン)にこの電圧が入力されると❝近隣警報❞が鳴動する仕組みだ。
JL-JCは親玉のL-Cのこと。男性のアナウンスに切り替わった瞬間にインターホンではこのJL-JCの接点が閉じるため、親玉に火災信号として飛ぶことになるのだ。この住戸発報の回路は『非蓄積回路』に設定され、火災確定信号が着た瞬間に即時他の子分を鳴動させることになる。もし住棟受信機の住戸回線で断線していた場合、その該当住戸内のインターホン内でJL-JCが断線している可能性があることは理解しておきたいところだ(住棟受信機の断線をSL-SCと勘違いしがちなので要注意)。
そして耐火電線1.2mmで接続されるのがD+・D-の非常電源。直流電源装置からDC24Vが供給され、仮にインターホン電源がダウンしても火災報知機の回路はこの非常電源によって生かされる。空室でインターホン電源が遮断されていたとしても外部試験が出来るのはそれが理由だ。
余談であるが、ガス漏れ検知器のG+・G-は警報信号用で、電源としては別途AC100Vが来ている。インターホンの通話ボタンの裏などにガス漏れを設置するかしないかのON-OFF切替もあったりする。救急ボタン等の端子はA接点、玄関や窓のセンサーに使用される端子はB接点で、防犯センサーは各センサーが接点が閉じた導通状態で防犯セットがかかり、窓等が開放されて接点が離れることで発報する仕組みになっている。
ちなみにパナソニックの住棟受信機組込のインターホンなんてものもあるが、ここまで説明したより遥かに少ない端子で同様の機能を備えている。これはインターホンメーカーと火災報知機メーカーが同一であるからこそ出来るのだろう。
起業してからもうすぐ7年、リフォーム工事は延べ500件を超えただろうか。日々の経験の蓄積がこの共同住宅用自火報ではものを言う。だからこそ妥協せず日々前進し続ける自分自身でありたいと思う。