高層の建物になると、低層階にある消火ポンプだけでは高層階を警戒出来ないため、中継する〝ブースターポンプ〟が設置される。低層階から送り込んだ水をブースターポンプが中継して高層階へ送るシステムのため、基本的には低層階ポンプが回ってる状況下でのみ高層階ポンプが回るようにする必要がある。(※全く別のシステム構成としている場合もある)それぞれのポンプごとに起動する要因を別に持っているため、万が一高層階ポンプの起動信号が入ったとしても、高層階ポンプのみが回ることがないよう制御盤内部で起動を制御する仕組みとなっている。これを〝インターロック〟と呼ぶ。このインターロック機能の点検のため、ポンプの試験時には以下を確認することとなる。
①低層階ポンプを起動して低層階ポンプのみの運転を確認する。
②低層階ポンプ運転時に高層階ポンプを起動して、低層階ポンプ及び高層階ポンプの運転を確認する。
③低層階ポンプ及び高層階ポンプ運転時に低層階ポンプの停止操作をし、どちらのポンプも停止しないことを確認する。
④低層階ポンプ及び高層階ポンプ運転時に高層階ポンプの停止操作をし、高層階ポンプのみが停止することを確認する。
⑤高層階ポンプを起動して低層階ポンプが運転してから遅れて高層階ポンプが運転することを確認する。
また、このインターロック機能以外にも、高層階ポンプの水温上昇防止用逃し配管が、低層階ポンプからの圧力監視があるため常時開放出来ず、高層階ポンプ運転時に電磁弁が開放して逃し排水が始まるようになっている場合もある。複数のポンプでのシステム構成には、全ての機能を損なわないよう、この〝辻褄合わせ〟が必要になるのだ。
いずれにしても、その現場に設置された設備のシステムを正しく理解して点検することが重要だと言える。